会長挨拶

大阪歯科大学同窓会
会長 三谷 卓
大学創立100周年を迎えて
誕生と苦悩
1911年12月大阪市福島区の一角に大阪歯科医学校が各種学校として知事の認可で開校された。大阪歯科大学100年の第一歩である。明治17年に歯科開業資格が制定され書生をしながら受験していた時代であるが、これによって2年以上の研修が必要となった。明治の終わりになると東京では次々と歯科専門学校が誕生する時に、本校創設者藤原市太郎氏の熱意によって大阪の地に歯科教育の学校をと云う夢が実った事は素晴らしいことであった。しかし間もなく歯科医師は専門学校による教育が必要条件となり、学校設置条件が厳しくなってきた。当初より財政的基盤が弱いため、協力者を求めてのスタートであったが、その後の専門学校化への心血を注ぐ努力も実らず、志半ばで経営を建設関係の古川氏に譲ることになった。二転三転学校存続の危機を乗り越え学舎も移転しながら、生野区に於いて大正6年9月17日(1917年)専門学校に昇格した。しかしその後には世界恐慌の煽りもあって、古川氏自身の財政状況が悪化、また学校経営の意見が分かれて退陣することになった。その後、京阪電鉄の支援もあって本学の運営・経営は欧米帰りの教員、同窓出身者によって行われてきた。本学の歴史にはその後も幾多の苦難があったが、教職員、学生の協力、同窓、父兄が一丸と成って、今日を迎えた。同窓会が大阪歯科大学の支援の原動力と成ってきたことは中興の師、白数美輝雄学長のお言葉にも窺える。
期待と不安
今日本の歯科界は大きな転換期にあるといえる。日本の社会構造が発展型から成熟型へ、歯科医療では修復から組織生命の継続を軸に変化してゆく中で、いわゆる需給における人的構成など根本的な歪を是正しないで発展は出来ないと考え処です。大学運営が様々な要素によって左右されることになるので、各大学とも今後の将来展望を持ちながら、対処しなければならないことは云うまでもありません。同窓各位は自分の活動範囲で満杯でありますので、母校への協力意識もまちまちでありますが、私学にあってはこの結束が失われる事があれば決してそれだけで済まない事を理解しなければなりません。多くの大学がこれから同じ数の卒業生を輩出している時です。私学にあっては教育力、臨床力、研究力が劣れば衰退の道を歩むことに成ります。即ち大学が研究や指導で大きな成果を上げること、国試で成績を上げることが大きな牽引力に成ります。
記念募金
100周年を記念して教授会より記念館建設の要望が持ちあがっています。
5年生、6年生の講義、国試指導を天満橋で行いたいと云う教授会の要望であります。平成9年に学舎と病院を分離したが臨床系の教授にとっては楠葉への移動が大きな負担であり、これを解消したいとの考えであります。その為に建設補助の募金が行われることになりました。同窓会にも協力をお願いしたいと云うことであります。同窓会としては記念館の建設内容、予算、天満橋の将来構想との整合性を十分検討して後日この建物が将来の改築を阻害しないものとして、また単なる教室だけでなく天満橋での卒後研修、学会に対応できる多目的機能のある建築であることを求めている処です。貴重な大学の資産を使って建設されるに相応しい緻密な企画が必要であります。法人理事会としてもできるだけ早く議論を進めていきたいと考えていますので、同窓会としても募金協力をお願いするところです。募金者には建築協力者として芳名盤に掲載させて頂くことになっています。多くの同窓会員の協力によって勧進できることに意味があるところです。
全国同窓会会員大会 11月26日
さて100周年記念会員大会は11月26日(土曜日)大阪中之島・リーガロイヤルホテルで開催されますが、今日までの皆さんの成功と発展をお互いに喜びあう一日であります。自分にとって、大学は最早過去のものであると思われる方もいらっしゃるでしょう。常に、我々の望みを受け入れてくれなかったと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし自分が母校で学んだことを否定する者はいないでしょう。仲間と共に歯科医としての人生を創った青春を祝福してください。大阪駅、阿部野橋周辺も大きく変わりつつあります。新しいエネルギーを注入して戴くためにも会員大会にぜひともご参加をお願いいたします。
大学苦難の打開
私立歯科大学にとってはこれから様々な問題打開の努力が必要となります。
同窓会としても困難を共有しなければならないでしょう。社会や政治がどうあるべきかについてハーバード大学のサンデル教授の熱血講義が日本でも好評ですが、日本の政治も旧態然の手法の限界を体験しているところです。大学は一つのコミュニティー(共同体)であります。その活性の為に情報の共有、善ある正義が求められてくると思いますが、大学や同窓会に於いても議論の質を高め、いずれにしても全員の打開への意志と参加が原動力となると考えています。その意味で大会参加へのご協力を改めてお願い致します。
最後になりましたが、同窓会ホームページの活用によって動きのある情報交流が出来ることを期待し、会員皆様の今後益々のご発展とご健勝をお祈りしてご挨拶といたします。
平成23年5月









