開講報告

平成26年度ポストグラデュエートコース 9コース

在宅歯科診療のスタートアップセミナー (在宅療養支援歯科診療所の施設基準に関わる研修)

平成26年11月19日 平成26年度大阪歯科大学ポストグラデュエートコース 一般コース「在宅歯科診療のスタートアップセミナー(在宅療養支援歯科診療所施設基準に関わる研修)」が、本学天満橋学舍臨床講義室で開催されました。

 今回のコースは、本学高齢者歯科学講座小正 裕教授、欠損歯列補綴咬合学講座岡崎 定司教授、高齢者歯科学講座 准教授 高橋 和也先生、講師 柿本 和俊先生、助教 渋谷 友美助教の5名の先生方が講師を担当されました。

 午前は小正教授が、在宅療養支援歯科診療所の施設基準や平成26年度診療報酬改定のポイントから高齢化の現状、老化のメカニズム、摂食嚥下障害による窒息事故を含む、高齢者の歯科治療における注意点、高齢者疾患の特徴、全身疾患への対応など多岐にわたり詳細にご教示いただき、引き続き、柿本先生が要介護者、障害者の状況から口腔ケア、義歯のケアの実際、義歯作製の要点など具体的な症例を通じてご説明いただきました。また、DENTAPAC KOKOROもご紹介され、実物展示もあり参加された先生方には実物に触れることができる絶好の機会であったと思います。

午後から岡崎教授が、粘膜面の調整から咬合高径の修正や人工歯形態修正などさまざまな状況に応じた義歯調整のポイント、さらにはさまざまな顎堤の条件に対して義歯製作の実際について動画を活用して具体的症例を混じえた実践的な内容をご教示されました。引き続き渋谷助教がドライマウスへの対応や舌痛症、口腔カンジダ症、シェーグレン症候群、漢方薬の処方に至るまで幅広い内容を、その後 高橋准教授が摂食機能に関するさまざまな訓練方法や摂食嚥下機能の判定テスト、嚥下造影(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)、光学内視鏡、電子内視鏡についてご説明いただきました。特に嚥下内視鏡に関しては動画でさまざまな実態状況、光学内視鏡については実物を利用して実際の使用方法について詳しくご教示いただき理解を深めることが出来ました。最後に嚥下内視鏡(VE)の実演とマネキンにて受講生が実際に内視鏡を挿入コントロールの体験実習が行われました。

すべての実習終了後、質疑応答、サーティフィケートの授与式をもって、午前午後にわたり行われた研修会が滞りなく終了しました。1日を通して盛りだくさんの内容と普段触れられない内視鏡の体験実習、また施設基準を満たす終了証まで含まれていましたので受講生の方々にとって、大変有意義で、十分満足していただける研修会だったと感じております。

報告者:P.G.C.委員  梶原 公彦(大36回)
文  責:P.G.C.委員長 佐古 好正(大28回)