開講報告

平成26年度ポストグラデュエートコース15コース

ヒトにやさしい根管治療をめざして-エンドの3Sを実践しよう!-

 平成27年3月1日本学天満橋学舎にて15コース「 ヒトにやさしい根管治療をめざして」が本学 口腔治療講座助教の、西川郁夫先生によって行なわれました。
 前半は、補綴物除去から根管治療まで、ということで、エンドの3S(Safe,Speedy&Simple)を実践するためには、情報収集能力の向上、各自のスタイルの確立、危機回避能力のスキルアップをふまえて、最終戦略法の確認、確立へと結び付つけていかなければならないと 前置きされ、根管治療における一般的診査法 からはじまり、歯冠修復物の効率的な除去方法、根充材及び、根管内破折器具の除去の現状、根管拡大形成へと講義が進められた。拡大するにあたっては、根管洗浄の大切さ、根尖がデリケートな部分である、ということを常に頭に入れて、拡大していくこと、少し番手を上げるだけで面積が二倍、三倍に大きくなってしまうからだ、と。拡大にあたっては、最近よく使われるようになっったニッケルチタンファイル使用にあたってはその特徴を理解した上で使用すること、と。根管内貼薬は、消毒薬に依存しない根管治療が推奨されているとのことでした。そして講義は根管充填へと、行なわれた。今では、エンドのスペシャリストにとっては、マイクロスコープと超音波の応用が、かかせなくなったというお話で前半は終了した。
 休憩を挟んで後半は、西川先生の症例を交えての講義があった。特に私が興味ぶかかったのは、根未完成歯の根管治療をどう考えて治療をすすめていくか。拡大、形成は、ラッパ状に開口した根尖部の手前で止める。根尖を刺激しないように注意し、カルシペックスなどを入れ、症状の消退を待って根充を行う、可能であれば、通常の根充を行う、必ず経過は、観ていく必要がある、とのこと。私は、臨床の場に出て、30年超になるが、未だにエンドには、悩むことが多い。時として、とんでもないミスをしたり、して落ち込むこともある。西川先生の、エンドはだれがやっても難しい時間がかかる歯科治療である、だから、エンドにのぞんでは、平常心で、焦らず、冷静に、対応していかなければ、結果はついてこない、を日々の診療において私の気構えにしていきたい。

報告者:P.G.C.委員 植木俊雄 (大30回)
文  責:P.G.C.委員長 佐古 好正(大28回)