2018年12月9日、朝から急に冷え込みが厳しくなった日曜日、本年度ポストグラディエートコース第6コースが開催されました。講師の北島一先生は静岡県磐田市で御開業されており、スタディーグループ5-D Japanのファウンダーとして日本はもとより海外でも御活躍されている著明な先生であります。講演の当初は歯周病の基本的な治療の進め方について開業当初の症例を用いてわかりやすく説明頂きました。当日は衛生士も参加しており、初期治療の重要性を理解するには非常にわかりやすい症例を呈示いただきました。次に歯周外科、歯周組織再生術へ移行するタイミングや基本的な歯周外科の手技についてお話しいただき、午前の部は終了いたしました。午後からは、症例を通して進行した歯周病の治療の進め方について御講義いただきました。進行した歯周病には支持骨の喪失、歯列不正、咬合異常などがおこり、機能的、審美的な問題を生じます。これらの問題を全顎的な治療プランを立てながら歯周治療、矯正治療、補綴治療を妥協なくすすめていく治療内容は素晴らしいものであり、特に歯周組織再生術は今までの想定を超えるレベルであり、受講生一同感激しておりました。現在、抜歯からインプラントへと治療が流れていく傾向が強い中、天然歯の保存にこだわり、長期的に良好な予後を継続させていく治療方針は特に若い先生方にとりましては素晴らしい目標になったものと考えます。
(大学34回 吉竹賢祐 記)