学術

平成29年度 大阪歯科大学同窓会 学術部特別講演

平成29年度大阪歯科大学同窓会学術部特別講演を以下の日程で開催しました。

スポーツ歯科の行方
-アスリートや国民の健康保持に対する歯科的貢献を考える-
 日 時 平成29年9月10日(日)
 場 所 大阪歯科大学 天満橋学舎
 講 師 太田謙司先生

 平成29年9月10日、本学天満橋学舎にて、上記研修会が開催された。
 猛暑の中にも関わらず、会場あふれんばかりの参加者を得て盛況に行うことが出来た。生野副会長から、本講演会の企画趣旨説明を含めた開会の挨拶があり、講演は始まった。
 近年、多領域連携の中での保健医療が求められるようになってきている。また、同窓会設立100周年を迎える2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催される。そのような背景の中で、我々歯科医師に求められるところは多大である。
 今回の講師は、大阪府歯科医師会会長の太田謙司先生である。先生は、ご自身がスポーツ デンティストでもあられ、日本歯科医師会スポーツ歯科委員会委員長・スポーツデンティスト協議会会長である。正に日本のスポーツ歯科のけん引役である。お話は、その沿革から始まり永い歴史があり、現在では多くの歯科医師が指導的な立場で活躍していることに触れられた。ご自身が、日々医政に携わっておられることから、政治・行政に対してオリンピック・パラリンピック等の国際的イベントでの歯科的貢献の必要性をアッピールされている旨のご報告もあった。また、生活習慣病と運動療法についても触れられ、ご自身の体験を含めたお話は非常に興味深いものであった。そして、我々も日常対応する可能性の高いマウスガードについては、市販の物との差やドーピング問題に関しても説明があった。ご講演の最終段階では、スポーツ歯学の向かう道として、近年叫ばれているロコモティブシンドローム・サルコぺニア・オーラルフレイル等に対しての歯科的アプローチの重要性についてもお話があり、多領域連携での対応の必要性について強調された。講演終了後の質疑応答でも、活発な意見交換が成され、熱の籠った中で終了を迎えた。
 今回のご講演を期に、スポーツ歯学を単に一つのカテゴリーとして捉えるのではなく、包括的医療ケアーの中での継続的な取り組みが我々に求められていることを痛感させられた。