開講報告

平成26年度ポストグラデュエートコース 7コース

コンポジットレジン修復の基礎知識

平成26年10月5日(日)午前、本学天満橋学舎7階臨床講義室にて本年度P.G.C.7コース(卒直後コース)「コンポジットレジン修復の基礎知識」が歯科保存学講座の山本一世教授を講師に招き行われた。

 初めにコンポジットレジンの接着について、過去から現在への変遷を分かりやすく説明していただいた。我々が国家試験を受けた二十数年前は、コンポジットレジンは歯髄刺激性があり、その原因は残留モノマーであると習った。しかし、現在では、コンポジットレジンには歯髄刺激性はないことが証明されている。レジン充填後の2次う蝕や歯髄炎は、象牙質とレジンが接着していないために起こる辺縁漏洩が原因である。象牙質を過度にリン酸エッチングしてしまうとボンディング剤が象牙質に接着しなくなる。象牙質のスメア層を除去し、コラーゲン繊維をうまく立ち上げることのできるコンディショナーを使用することでボンディング剤が象牙質と強固に結合し、そのボンディング剤を介してコンポジットレジンが接着する。
最近のコンポジットレジンは象牙質に強固に接着することは知っていたつもりだったが、以前学んだ事実が誤りであったことは知らなかった。本コースは卒直後コースであるが、直後でない受講生にとって新鮮だったかもしれない。その後、2級窩洞のレジン充填、前歯部の破折歯の効率の良いレジン充填修復を説明していただいた。
約1時間講義があった後、9階診療室で説明のあったモリタのコンポジタイト3Dを使用した2級窩洞の充塡、破折歯に対するシリコンガイドを用いたレジン修復の実習が行われた。講座員の方々の協力によりビデオを用いた分かりやすいライブデモからマネキン実習まで円滑に実施され、受講生は使用したコンポジットレジンは持ち帰ることのできるお土産付きであった。知識豊富な講座員に質問しながらコツを教わり、実習できことは大変有意義と思われた。実習終了後、講義室に戻り、質疑応答とサティフィケートの授与が行われコースは終了した。

 前述したように、卒直後のでない先生も受講して得られるものの多い研修だった。

報告者:P.G.C.委 員 仲西健樹(大39回)
文  責:P.G.C.委員長 佐古 好正(大28回)