当日、同窓の先生方、他大学の研究心にあふれた先生方、臨床の現場で活躍されている技工士の方々及び衛生士の方々など60名を超える参加者で講演が始まった。
講演資料として、講師の末瀬先生が講演内容をまとめられたレジメ、参考文献としてQDT誌上で、先生が最先端の審美修復治療について、日本を代表する先生方と対談されている文献を配布していただいた。
講演は、午前中にまず「支台築造の基本」ということで、力学的な考察を踏まえ、支台歯形成の勘所ということで①形態付与,②難症例の紹介、③歯根破折への 対策などを図解を交えてご説明いただいた。また今や、ポピュラーになってきた「ファイバーポスト応用支台築造の基本」を、材料の特性からファイバーポスト 応用コンポジットレジンコア作製の方法までを丁寧に説明していただいた。そして、末瀬先生がこの講演のためにと用意作成していただいた模型を、参加者一人 一人に配布していただき、ファイバーポストコア作製を各人が納得いくまで行う事ができた。この実習では、トクソーのご厚意でトクソー製のファイバーポスト一式を使わせていただいた。
昼食をはさんで午後からは、ハイブリッド型コンポジットレジンの特性、臨床応用、適用範囲までを詳しくお話ししていただいた。そしてジルコニアを中心としたオールセラミッククラウンへとお話はすすめられた。CAD/CAMシ ステムの出現により①材料強度の安定化、②製作過程の短縮化、③製作工程の簡素化などの利点がうまれ、今後このシステムの発展により、審美修復治療は大き く変化すると思われる。術者であるわれわれの意識を変えずにはいられない時代がもうすぐそこまで来ているんだ、と再認識させられた講演であった。
パワフルな熱弁をして頂いた末瀬先生に改めてこの場をお借りし、感謝の意を表したい。
PGC委員 植木 俊雄