本コースは、「初めての上顎前歯部インプラント治療に役立つマネージメント」と題し、本学口腔インプラント学講座の馬場俊輔主任教授指導の元、顎模型による実習付のハンズオンセミナーとして、参加者20名の満席の中行われました。
今やインプラント治療は、日常の臨床において欠損補綴のソリューションの大きな役割として、社会に認知された医療であることはいうまでもありません。しかし、前歯部・審美領域でのインプラントによる審美的・機能回復となると、予知性や手技の煩雑さ、その習熟度が十分に担保されていることが重要であり、患者のQOLや満足度に大きく影響を及ぼすものでもあります。
今回のコースでは、抜歯に伴う審美領域におけるインプラント治療で、抜歯後の骨や軟組織の形態をどのようにコントロールするかにスポットを当て、2000年初頭Dennis Tarnow氏らが提唱しているアイスクリームコーンテクニックを使ったリケットプリザベーション法を模型実習で修得し、最新のエビデンスがベースとなった治療方針の決定に役立つ機会を得ました。
ここ数年来、多くの高次医療機関において、ミスやずさんな管理などによって、国民の医療に対する不信感が高まっている中、患者のQOLが最重要課題となってきた現在においては、患者の社会的背景や人生観を考慮した治療方針が重要で、使用する材料や用いる手技などは、患者のパーソナリティーをも考慮した上で、計画された治療方針によって選択されるべきであるとの指摘には、感銘を受けました。
また、指導に当たってくださったインプラント科の井上助教をはじめ助手の先生方においても、受講者への丁寧な対応や質疑応答においても、多少時間がオーバーするなど非常に関心度の高さが伺われ、受講者からも充実した内容、教室員の先生方への感謝が溢れた研修会となりました。
報告者:P.G.C.委員 小柳良久 (大38回)
文 責:P.G.C.委員長 佐古 好正(大28回)