開講報告

平成29年度ポストグラデュエートコース1コース

明日から使える歯内療法のエッセンス2017 ~髄腔開拡から根管拡大・形成を中心に~

 平成29年5月27日(土)、28日(日)の2日間、本学創立100周年記念館にて開催いたしました。
 講師の先生には、昨年に引き続き大阪大学大学院歯学研究科臨床教授であり、吹田市開業の木ノ本喜史先生をお迎えし、安全・正確・迅速にという日常臨床で求められる要素を踏まえた「歯内療法を実践するきっかけとなる研修会に!」をコンセプトに行っていただきました。 1日目の内容は、歯内療法の基本として、診査診断、根管解剖の講義に始まり、髄腔開拡、いろんな根管拡大法、作業長の測定(根長測定器の計測数値の読み方、これは日々の臨床でしっかり意識できていなかったお話でした)とお話があり、その後、アクリルブロックを使い、ハンドファイルでの根管拡大、基本動作の確認の実習を行った。
 その後、ニッケルチタンファイル(レイス・白水)、(wave one gold・三金)を使った拡大法の講義があり、その特徴や使用上での注意点などのお話しの後、各自持参した抜去歯で、その性能、使い方を学ぶ実習にはいった。
 2日目は、感染根管の攻略法、根管洗浄、根管充填の講義があり、いろんな除去法のお話の中では、先生が推奨されているメタルコアの除去に、Wドライバー法(2本のドライバーを使い難なく、短時間でコアを外すテクニック)は、初めてお聞きになる先生方には、目からうろこのようなお話だが、ほとんどのメタルコアのケースで、このWドライバー法を用いて短時間で外せるとのことでした。
 その後、昨日に続き、抜去歯を使い、より精度の高い髄腔開拡、根管拡大、形成,根充を目指し、実習は進んでいった。また、超音波治療器による治療法の紹介、マイクロスコープを用いた根管治療の有効性、成功率の向上などの講義もしていただき、受講生は、用意していただいた抜去歯を使い、マイクロスコープや超音波治療器なども使って、時間のある限り、自分に合った治療器具を試すがごとく、終了まで熱心な実習が続けられた。

 木ノ本先生におかれては、実習時間中は、各受講生のテーブルを隈なく回っていただき、休憩の時間にも関わらず、皆さんの質疑応答や指導に応えていただき、ハンズオンハンズの素晴らしい実りの多い研修会を開催することができました。研修会委員一同、御礼を申し上げます。
 平成27年から始まりました木ノ本先生のコースは、毎年、ポストグラデュエートコースの申し込み開始と同時に定員が埋まってしまう超人気コースになっていまして、今年もご参加していただけなかった同窓の先生方におかれましては、来期も開催を予定したいと思いますので、併せてよろしくお願いいたします。

報告者:P.G.C. 委員 植木俊雄(大30回)