平成26年9月7日、本学天満橋学舎西館7階共用会議室において、2014年度ポストグラデュエートコース 5コース「明日から役立つ小児の外傷治療法」が開催された。
今回のコースは本学小児歯科学講座 助教 園本美恵先生に講師を担当して頂いた。 講演内容として、まず外傷患者の年齢層と受傷原因の関係が話された。1歳児に患者数のピークがあり、その原因は転倒が最多で、3~5歳児は衝突、6~9歳は交通事故が主な原因として挙げられる。 次に患者来院時の医療面接のポイント、検査項目について話された。視診については全身から顔面の順に行うこと、口腔単位では歯牙表面の亀裂や咬合関係について診査する。触診、打診、エックス線診、歯髄生活反応(EPT、冷・温刺激)等の診査を行う必要がある。歯牙完全脱臼の対処について、永久歯(根完成歯及び根未完成歯)と乳歯、歯牙の状態の良、不良によってその対処方法と順序が異なる。永久歯で状態良好な根完成歯では、再植→抜髄→固定の順で、永久歯で状態良好な根未完成歯では、再植→固定、永久歯で状態不良であれば抜髄→根面消毒→再植→固定が推奨される。乳歯に関しては、状態良好であれば再植→固定、状態不良であれば再植不能なケースが多い。歯冠破折歯の歯髄処置法や歯牙固定の具備条件や固定法について、脱臼歯牙の保存法などについても講演頂きました。
後半は、対処方法の解説と共に実際の臨床症例写真を多数見せて頂きました。 頻繁に経験するわけではない小児の外傷歯ですが、いざという時にしっかりとした対処が求められます。今回の講習で教えて頂いた内容を明日からの診療に活かしていきたいと思います。
報告者:P.G.C.委 員 中川 貴晴(大51回)
文 責:P.G.C.委員長 佐古 好正(大28回)