開講報告

平成26年度ポストグラデュエートコース 4コース

歯科治療時の全身管理法と救急蘇生法

平成26年9月7日、本学天満橋学舎西館7階共用会議室において標記講習が行われた。歯科治療は頻度の高い医療行為であるが、患者には心身ともに負担のかかる操作が多く、それに起因したストレスによる偶発症を観察することがある。中には不幸な転機をたどることもあり、歯科医療従事者はリスク患者のトリアージと基本的な救急蘇生対応を習得する必要性がある。
今回、講師に本学歯科麻酔学講座准教授 佐久間泰司先生をお招きし「歯科治療時の全身管理法と救急蘇生法」と題して、有益な講習会が開催された。本コースは5年目までの卒直後対象コース(受講は卒業年を限定しない)として企画いただいたため、まずは最緊急事態を想定した救急蘇生法の実習が行われた。救急蘇生を広く伝達する目的で設立された、NPO法人 大阪ライフサポート協会認定DVDを用いた実習が行われ、AED(自動体外式除細動器)操作を含めたベーシックなハンズオントレーニングを、同講座 覺道大学院生ととともに非常に丁寧にインストラクションしていただいた。AEDの重要性もさることながら、最も大事なのは適切な胸骨圧迫をはじめとしたCPR(心肺蘇生法)であることが強調され、参加した受講生もその重要性を理解していた。
その後、スライドによる有病者の全身管理法と歯科治療時の注意点について講演があり、高血圧症や心筋梗塞などの循環器疾患をはじめ、様々な有病者への実践的な講義が行われた。日本は世界でも類をみない程高齢化が進んでおり、現在、高齢者の有病率は非常に高いことから、今後の歯科臨床においていわゆる「スグ役に立つ」講習会であったと感じられた。当日は卒直後の方を含めて5名の受講生が講習を修了した。受講人数は少なかったものの、その分充実した実習と講義が行われ、改めて本学同窓会主催 ポストグラデュエートコースのバリュー感を再認識した1日であった。


 報告者:P.G.C.副委員長 杉岡 伸悟(大35回)

委  員 畑下 芳史(大44回)
文  責:P.G.C.委員長 佐古 好正(大28回)