開講報告

平成30年度ポストグラデュエートコース 2コース

超高齢社会における戦略的歯科治療~要介護者への義歯治療の有効性を考える~

 平成30年6月10日(日)、大阪大学大学院歯学研究科の松田謙一先生と本学障がい者歯科の田中佑人先生をお招きし、「超高齢社会における戦略的歯科治療」と題して、ご講演頂きました。
 2025年を目前に、口腔機能低下症の検査が保険に導入されるなど、歯科医療従事者に求められる在り方の変化を肌で感じるようになってきました。その中でも特に義歯治療の有用性が見直されて来ています。超高齢社会においては、患者本人のQOL が求められるのは当然ですが、介護者のそれも同じく重要です。口腔内にブリッジやインプラントなどの高度な歯科治療介入が無秩序に残存していると、フレイルになった時にその管理は非常に大変です。
 プレフレイル、オーラルフレイルの段階で、不適合のブリッジを除去、残根抜歯、インプラントの改造などを戦略的に実践し、可撤式装置や全部義歯などを作成し管理しやすい口腔内に編集しておくことはとても大事です。そう言った社会ニーズの変化を背景に、今回は総義歯のエッセンスを ご教示いただきました。明日からでもすぐに実践できる内容は受講生の評価もとても高かったです。
 超高齢社会や地域医療に対応できる歯科医師を目指して、その有志の輪を広げていくことがますます重要だと思います。

(大58回 竹山 旭 記)