開講報告

平成29年度ポストグラデュエートコース3コース

身につけよう!役立つ咬合印象法‐術式と技工テクニック-診療室でも在宅診療でも、明日から使えるテクニック-

 平成29年7月23日(日)、本年度P.G.C.3コース「身につけよう!役立つ咬合印象法‐術式と技工テクニック-診療室でも在宅診療でも、明日から使えるテクニック-」が、有歯補綴咬合学講座の田中順子准教授を講師に招き行われた。定員20名のところ21名の受講生が参加した。 本セミナーは、ハンズオンセミナーであるが、はじめに講義が本学天満橋学舎7階会員研修室にて行われた。
 まず、咬頭嵌合位の重要性と与え方を説明後、咬合印象法の臨床的な優位性、その正確性について講座の研究報告を示しながら紹介された。また、同講座が長年刮目している咬頭嵌合位での咬合接触を、より正確に与えやすいことも述べられていた。その後、実際の咬合印象を行うための材料を紹介し、その採得方法をビデオを交えながら説明された。 咬合印象の相互実習は、同階の診療室に移動して約4名ずつの班に分かれ、講座員スタッフのデモの後、受講生がお互い採得し合う方法で行われた。インストラクターから印象採得時のコツなども紹介され、受講生からの質問にもその都度答えてもらい、判りやすかったように思う。

 午後は、採得された咬合印象を咬合器に付着する方法について説明された後、6階の技工室へ移動し、本学歯科技工士の東先生の指導のもと、各受講生自身が咬合器付着を行った。実習終了後に会員研修室に戻り、質疑応答が行われコースは終了した。
 咬合印象法は、支台歯・対合歯を閉口状態で同時に印象採得し、同時に咬合採得が行われ、そのままを咬合器に付着するので誤差の少ない作業用模型が完成する。その上、通法よりも施術時間が少なく、使用する材料も少なくて済む方法であり、結果として補綴物装着時のストレスがことのほか軽減する。このように、よい方法だと分かってはいるが、咬合器付着の作業に不安があり実践できていないという声をよく耳にするが、今回のコースでこの模型付着が体験できたことは、大変有意義であったと思われる。また、専用トレーと咬合器のお土産付きであったことは、文字どおり「明日から使えるテクニック」を習得できたコースであった。

報告者:P.G.C. 委員 仲西健樹(大39回)