
大学時代の友人であり、同じ歯科医師として長年歩んできた片岡君の急な訃報に接し、深い悲しみを禁じ得ません。学生時代からともに学んだ仲間を見送ることになるなんて寂しくて仕方がありません。
いつも引っ込み思案で友人も少なかった僕を、仲間に入れてくれてありがとう。まさか君のほうが先に黄泉の国へ旅立ってしまうなんて、本当に残念でなりません。
林清重君から君の訃報を聞いてから、大学入学当初からのさまざまな思い出が次々と甦ってきました。僕たちは大阪歯科大学15回生、1年C組で同じクラスになり、名簿順で片岡・加藤と席も隣同士、6年間を共に過ごしましたね。都会育ちでセンスのいい君は、田舎育ちの僕にはうらやましい存在でしたが、何かと気が合い、僕の六畳一間のアパートにも来てくれて、試験勉強を一緒にしたのを覚えています。
サンドスキーしか知らなかった僕を、君は友人たちと一緒に本格的なスキー旅行にも誘ってくれました。八方尾根で「ターンをするには、抜重が大事なんだ」と君に教わったけれど、僕は最後まで上手くできなかったな。歯の抜髄だけは君より先にやっていた気がします。宿では慣れない酒に酔ってしまい、君には迷惑もかけました。
卒業後も、関口 肇君の紹介で豊中の某有名先生の泊まり込み講習会に参加したり、一緒に勉強もしましたね。一時はゴルフにも熱心で、毎週のように天の山カントリークラブに誘ってくれました。お互いの子どもが小さかった頃には、家族ぐるみで何度も旅行に出かけたことも、懐かしい思い出です。
やがてお互いに忙しくもなり、年賀状のやり取りだけになっていましたが、3年前、思いがけず君が大学同窓会100周年記念大会に誘ってくれたおかげで、久しぶりに同級生たちとも再会できました。その翌年の大阪駅のホテルグランヴィアでの「いちご会」の会合にも、君に誘われて出席しました。本当にありがとう。
片岡君、これまで本当にお疲れさまでした。君と過ごした学生時代、そして歯科医としての年月は、僕にとってかけがえのない宝物です。
これからは、大学3年生の時に結婚した(これも本当にうらやましかった)奥さんや、お子さん、お孫さんたちを、大好きだったワインを片手に、どうか天国から見守ってあげてください。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
合掌
(加藤淳治 記)